■第一部世界観
舞台は現代日本です。都市はどこでも構いません。
ただしこの世界とひとつだけ違う点があります。
それは「悪の秘密結社」
と「ヒーロー協会」が、わりと公然に存在していることです。
「悪の秘密結社」は悪
事を働く秘密結社で、「ヒーロー協会」はその悪の組織の悪事を防ぐために組織された協会です。そのままですね。
どちらも公的には存在を公言していませんが、どちらも街の住人にはその存在と活躍は普通に知られています。
また、悪の秘密結社と言っても決して町の人から全否定されているわけでもありません。
むしろ街によってはその活躍から、ヒーロー協会よりも悪の秘密結社の方が人気が高いなんて地域もあったりします。
その街のヒーロー協会はなにやってるんでしょうかね。
そうした「悪の秘密結社」と「ヒーロー協会」が清く正しく美しくしのぎを削り合う世界が、『MSS悪の密結社RPG』の世界なのです。
■第二部 用語説明
▼プレイヤー…このゲームをプレイするGM以外の人。
▼GM…このゲームをプレイする、進行やルール判定などを担当する人。
▼プレイヤー・キャラクター(PC)…プレイヤーが扱うキャラクター。
▼NPC…GMが扱うキャラクター。
▼2D6(2D)…6面体サイコロを2つ振り、出た目を足す行為。
▼D6D6…サイコロを振る前に、1つのサイコロを十の位、もう1つを一の位と決めてからロールする方法。結果は「11〜66」までの36パターンとなる。
▼D66…サイコロを2つを振り、目を比べて小さい方が十の位、大きい方を一の位にして出すロール。例えば「61」は存在しない。21パターン。D6D6とは微妙に違うので注意が必要。当書では「関門のカケラ」の時に使用。
▼ロール…サイコロを振ること。またはサイコロを使った判定をすること。
■第三部 キャラクターメイキング
これから世界征服を企む悪の秘密結社の構成員として清く正しく美しく世界征服を企むキャラクターです。愛情を持って作って下さい。
→ブランクキャラクターシート(PDF)
1.本名・活動ネーム・性別・年齢
本名・活動ネーム・性別・年齢を決めます。自由に決めて構いません。活動ネームとは悪の秘密結社で活動している時専用の名前です。ペンネームみたいなもんです。
また未成年は悪の秘密結社には入社できません。法律でそう決まっているからです。二十歳過ぎてから入社しましょう。
外国人でも悪の秘密結社には入会できますが、キチンと「悪の秘密結社ビザ」を取っていることが条件となります。
これらの法令を破ると悪の秘密結社は活動できなくなりますので、法令はちゃんと守りましょう。
2.組織名
組織名は「組織名決定表」によって決められます。「ネーミングA」「ネーミングB」「ネーミングC」をそれぞれD6D6で振り3つの単語を抽出します。これを自由に組み合わせて組織名としてください。
適切な接続詞(「〜を」「〜の」等)は付けても消しても構いません。自然に格好良く、時には笑える、愛着の持てる組織名にして下さい。PC同士は同じチームで同じ組織なので、組織名は統一してください。
→
組織名決定表(PDF)
3.コンディション
ゲーム内でその日一番最初に「コンディションロール」を行います。2D6の結果、その日一日のコンディションが決定されます。2ですとさわやかな目覚めと共に絶好調となりますし、12だとなぜか起きるのもだるくて絶不調となります。ロールした ら数値に○をつけておいてください。
しかしプレイヤーとしてはデータ的なボーナスやペナルティはありません。あくまでロールプレイのヒントとして使って下さい。
GMはコンディションによって達成値を修正しても構いません。「絶好調だからボーナス修正ね」としてもいいわけです。さらに「コンディションロール」の際にもロールプレイとからめて結構です。例えば「前日飲み過ぎた」という描写があれば、「コンディションロールに+1のペナルティだ」と言っても構わないのです。全てはGMの判断に委ねられます。
4.階級と勲章とボーナス評価
階級はその組織の中での地位を表し、勲章はこれまでの指令をどれだけこなしてきたかを表し、ボーナス評価はボスから特に与えられている評価を表します。キャラクターシートの表で言えば、上の段の「下っ端」とか「戦闘員」が階級を表し、その横の( )の数字がボーナス評価を表し、下の段の数字が勲章の数を表しています。
◇勲章
勲章とは一般的なRPGで言う経験値となります。ボスからの指令を上手くこなせばPCは勲章をもらうことができます。結果によってはもらえなかったり、大成功なら2つもらえることもあるでしょう。よって勲章はこのゲームの目的でもあるのです。
勲章をもらったら、その合計値の数値に○をしてください。
もちろん最初は0からです。
◇階級
階級はレベルです。勲章の数によって階級とボーナス評価が変わってきます。組織に入会したての時は勲章が0ですから「下っ端」です。ここから何度かボスからの指令をこなせば勲章がもらえ、それが2つになれば「戦闘員」に格上げされます。階級が上がるとアビリティを増やすことができます。詳しくは「第六部 昇進」(30P)を参照して下さい。
できたてのキャラクターは、勲章が0ですから階級は「下っ端」となります。
◇ボーナス評価
ボーナス評価とは、勲章とは違う意味でのボスからのPCに対する個人的な評価です。これは勲章の数によっても増えますが、ボスの気分によっても上下するので、それ以外の場面でも増えたり減ったりすることがあります。GMはセッション中に素晴らしい行動やロールプレイをしたPCに臨時のボーナス評価を与えたり、逆にペナルティを与えるなどの使い方をしてください。どんな場面で使ってもかまいません。
ボーナス評価は一般的なRPGで言うMPのようなものになります。よってボーナス評価はセッションごとに回復します。それが勲章の数ごとの( )の中の数字です。つまり勲章が3のキャラは、セッションの始めに必ず「現在のボーナス評価」に+3されることになります。上限はありません。
ボーナス評価は「使用」することで真価を発揮します。ボーナス評価をコストとして消費することで「秘密兵器」を使用することができるのです。また行為判定の際に複数のアビリティを使える等、他の使い方もあるので詳しくはその部分の記述に従って使用して下さい。
できたてのキャラクターは、初期の勲章が0ですからボーナス評価は3となります。ボスも新人にはそなりに期待をかけているわけですね。まずは「現在ボーナス評価」の欄に3と入れて下さい。
5.能力とアビリティ
能力とアビリティは、MSSの行為判定で使う、当ルールのキモの部分です。
◇能力値
「身体能力」「性格」「経験」「持ち物」「特殊能力」「対人」の横にある空欄には数字を入れることになり、これを「能力値」と呼びます。「行為判定」のページで詳しく説明しますが、この能力値が「目標値」の基礎点となります。高い方が有利です。
まずは35点全てをそれぞれに自由に振り分けて下さい。ただし最低値は4です。行為判定は6面体サイコロ2つ振り、能力値より小さい数を出せば成功となりますので、それを念頭に能力値を定めてください。
能力値は階級が上がると増やすことができます。詳しくは「第六部 昇進」(30P)を参照して下さい。
◇アビリティ
アビリティは、「第四部 行為判定」(20P)のページで詳しく説明しますが、「行為判定」におけるPCの「行動のキッカケ」となります。
アビリティの取得方法は、能力によって変わってきます。「身体能力」「持ち物」「特殊能力」は後から追加したり外したりできるもの、「性格」は書き換えが出来るもの、「経験」はキャラメイキングで決まったら変えられないもの、「対人」はセッションごとに変わるアビリティとなります。
追加できるアビリティは、取得した際にキャラクタシートの「取得アビリティ」の欄に書き込まれます。それらは「アビリティセットと状況説明シーン」(23P)の際に、今回のセッションで使うアビリティとして能力値の横の「能力とアビリティ」欄に書き入れたり、入れ替えたりします。これを「セット」と呼びます。
アビリティはセットされたものしか使えません。
→
アビリティ表(PDF)
◆身体能力
体力や筋力や敏捷性などの身体能力です。
キャラクターメイクの際には「アビリティ表」の「身体能力」の項目のうち下っ端(下)になっているものから5回、D66(降った数の大きい数が一の位、小さい数が十の位)を振って決めてください。決まったらその5つを「能力値とアビリティ」にあるアビリティ欄の1〜6の好きな部分に記入します。つまり初期キャラクターのアビリティ欄の1つは空欄になります。
身体能力は階級が上がると、新たに取得することができます。
◆性格
そのキャラクターの性格です。
キャラクターメイクの際には「アビリティ表」の「性格」から6つを自由に選ぶか、6回、D6D6(振る前に一の位のサイコロと充のくらいのサイコロを決めておく)して決めてください。決まったらアビリティ欄の好きな箇所に書き込んで下さい。この能力値は行為判定で使うだけでなく、ロールプレイの参考にもしてください。
「性格」はセッション終了時に1つ変更することができます。そのセッション中に性格が変わるようなことがあった場合、セッション終了後にGMと相談して許可が得られれば、1つだけ性格を変更して構いません。
◆趣味・経験
そのキャラクターが悪の秘密結社の入会する以前、これまでどのような経験を積んできたのかを表す能力です。
キャラクターメイクの際には「アビリティ表」の「趣味・経験」の項目から6つを自由に選ぶか、6回D6D6して決めることができます。
このアビリティは過去の経験からくるものですから変更することはできません。
◆持ち物
PCが普段持っているアイテムです。
キャラクターメイクの際には「アビリティ表」の「持ち物」の項目のうち下っ端(下)になっているものから3回、D66を振って決めてください。つまりアビリティは3つ空欄になります。数が少ないですが、下っ端は持ち物を選べないのです。
持ち物は階級が上がると、新たに取得することができます。
◆特殊能力
悪の秘密結社に所属することで得られた特殊な能力です。
キャラクターメイクの際には「アビリティ表」の「特殊能力」の項目のうち下っ端(下)になっているものから3回、D66を振ってランダムに決めてください。つまりアビリティは3つ空欄になります。
特殊能力は階級が上がると、新たに取得することができます。
◆対人
今回の指令(セッション)で使えるであろう自分に関係する人たちです。
このアビリティは指令ごとに全て変わります。まず今回指令を共にする自分以外のPC名を、対人の項目の好きなところに入れてください。よって今回の指令が7人で行われる場合は、これだけでいっぱいとなります。もし8人以上のセッションの場合はランダムに入れてください。次に空欄があれば、残り全てをアビリティ表の「対人」の中からD6D6して決めてください。
関門の状況によっては、このアビリティを使うのに不自然な状況になるかもしれませんが、そういう時こそ張り切って無理矢理ボス(GM)に説明してください。
決定の際にサイコロを使った場合、どのアビリティも同じ目が出たら振り直しです。
6.悪の心
指令中にどれだけ悪の心を保ったままでいられるかを表している値です。他のRPGでは「HP」の概念と考えてもらえば分かりやすいでしょう。よってこの値が0になると、PCは心が折れて悪事不能となってしまいます。
ただし0になってもPCが死ぬことはありません。そもそも当ゲームのスタイルは「ボスに自らがどれだけ活躍したのかを報告しアピールする」という形であり、ゲーム中に起こっていることは全て過去のことですから、ゲーム中に死ぬということはあり得ないのです。というか、そもそも心が折れただけでは人間死にません。悪事が出来ないだけで移動はできますので、心が折れたPCは他のPCについていっているか、全員心が折れた時はすごすごとアジトに帰ることになるでしょう。
悪の心の数値によってボーナスやペナルティが付く場合があります。例えば「9」の時は「コンディションが一段階下がる」などです。キャラクタシートの指示にしたがって下さい。
最大悪の心の初期値は「10」です。悪の心は回復させることができますが、最大悪の心を越えて増えることはありません。
最大悪の心は階級が上がると増やすことができます。
7.成功したアビリティ記録
各ステージやヒーロー戦闘の時の行為判定の正否と、その際に使用したアビリティを記録する項目です。成否の欄には成功なら○を、失敗なら×を書いてください。
「ボスからおしおきをもらうフェイズ」 (30P)で関係してくるので、それぞれキチンと記録しておいてくださいね。
8.秘密兵器
悪の秘密結社のボスが特別にPC達に渡す秘密兵器です。秘密兵器はいつでも使えますが、使う際には「ボーナス評価」をコストとして消費しなければなりません。
秘密兵器自体は何度使っても無くなったりはしません。
秘密兵器は、指令によってボスが直接支給します。よって支給するかどうか、また支給数についてもGMの判断によります。
また指令が終われば秘密兵器はボスに返却しなければなりません。もし隠したりすると窃盗罪に該当します。法令は守りましょう。
初期値はありません。
9.取得アビリティ
取得したアビリティのメモ欄です。ゲーム的には必ず使わなければならない項目ではありませんので、過去取得した全てのアビリティを記憶できると自信のある人は使用しなくても問題ありません。( )の中は能力値名(のアルファベット)です。
ここに書かれているけど「セット」されていないアビリティは、行為判定などで使用することはできません。
MSS悪の秘密結社RPG
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